AutoCADのひと工夫

AutoCADレギュラー版にはAutoLISPというプラグラム言語があり、またVBAなどによってマクロを作成し便利に使用することができるようになっています。これらのプログラムやマクロ等がフリーソフトとして多数ありますが、AutoCAD LTの方には利用できないものも多いと思います。
また、AutoCAD LTでもスクリプトというコマンドラインの入力をまとめたテキストファイルを作成し、ある程度の作業の自動化を行うことができますが、この使用に当たっては、テキストファイルの作成、実行と手間を要すとともに汎用性に乏しい一面があります。そこで、スクリプトを実行するの ではなく、スクリプトをクリックボード経由のテキスト貼付として容易に利用する方法が考えられています。
このテキストファイルをExcelで作成し汎用性を持たせることを考え、使用頻度が高いコマンドとシステム変数におけるコマンドライン入力とテキスト化について紹介します。

T.コマンド一覧

下表のコマンドで、コマンドのアルファベットの前に付いている"-"は、コマンドラインにプロンプトを表示して行うものです。
("-"を付けなければ、マウス操作と同様に、ダイアログボックスが表示され、その中より選択する方法となります。)
また、文章中で記号のエンターはエンター、半角スペースは半角スペースを表し、半角スペースはコマンドライン入力のエンターの役割をなします。
コマンドによっては入力項目が多く、エンターを続けて入力する場合などには、Excel文章では半角スペースが連続することになります。

コマンド一覧
分 類項 目コマンド
画層画層管理-layer
設定色設定-color
線種設定-linetype
線種尺度ltscale
線の太さ-lweight
線分line
ポリラインpline
多角形長方形rectang
ポリゴンpolygon
circle
円弧arc
楕円ellipse
point
寸法線長さ寸法記入dimlinear
引出線記入leader
平行寸法記入dimaligned
角度寸法記入dimangular
中心記入dimcenter
テキストマルチ テキスト-mtext
文字記入-text
ハッチングハッチングhatch
加工延長extend
面取りchamfer
トリムtrim
部分削除break
ブロック登録-block
ブロック挿入insert
尺度変更scale
回転rotate
複写・削除コピーcopyclip
貼り付けpastclip
配列複写array
鏡像mirror
オフセットoffset
削除erase

U.コマンド説明

1.画層管理(layer)

画層管理には画層の諸元を設定する項目がありますが、その中で主に使用される、「現在層の新規作成」「色設定」「線種設定」 「線の太さ」「現在層変更」について紹介します。
なお、layerコマンドで設定したものは、"bylayer"となります。

(1)画層の新規作成時

画層を新規に作成する場合において、「現在層の新規作成」「色設定」「線種設定」「線の太さ」の4項目を連続して設定する場合 については次のとおりでになります。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章

コマンド入力に対応するExcel文章は次のとおりになりますが、「線種設定」の後にエンターが必要なり、半自動化の段階です。
「線種設定」では引数に線種名を入力しますが、線種名のように文字を入力する場合には、エンターの半角スペースを 加えるExcel式を作成しても、この半角スペースが線種名の続きと解釈され、エンターを要求してきます。
そこで、エンター入力対策として、次の行を空欄とする2行のExcel文章にすると自動化になります。
この2行の空欄は、最初が線種名を設定する画層名の入力の省略のエンター、2行目がコマンドの終了のエンターの役割です。
ここでは、「線種設定」を最後に持ってきましたが、「線種設定」と次の「空欄」は対ですので、途中に持ってくる場合には、 「線種設定」の次を「空欄」とし、最後は「項目」と「空欄」にします。
一つの画層名の新規設定のコマンド集としては、途中に「空欄」が入るよりもまとめやすいので、「線種設定」を最後にしました。

コマンド入力
コマンド入力

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(2)画層の変更

画層を変更するには、「現在層変更」を指定し、次のとおりになります。
なお、「空欄」は上記の線種名と同様に半角スペースが有効ではありませんので、次行の空欄が必要になります。

コマンド入力

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2.設 定(ltscale)

「線種尺度」を設定するには次のとおりになります。

コマンド入力

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3.変 更

画層管理で設定されている"bylayer"の色・線種・太さを用いずに一時変更する場合は、次のとおりになります。
なお、線種変更では先に線種名がロードされている場合としています。

コマンド入力

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4.線分(line)・ポリライン(pline)

線分及びポリラインはコマンドの後に点数分だけ座標を入力し、最後の座標入力時に線分では半角スペース、 ポリラインでは半角スペースあるいは記号(円弧や閉じる場合)になり、Excel文章としては一行あるいは多行 の2通りとなります。
なお、下表は四角形を線分とポリラインで描く場合ですが、ポリラインで閉じない場合には、末尾の"c"をはずしてください。

コマンド入力

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5.長方形(rectang)

長方形描画には様々な方法がありますが、一番容易な「対角点座標入力」の方法は次のとおりになります。

コマンド入力

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6.多角形(polygon)

多角形描画はエッジ数、中心座標、半径に対する内接あるいは外接として描かれるので次のとおりになります。

コマンド入力

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7.円(circle)

円描画には、@中心点と半径の指定、A直径の両端点指定、B円周上の3点指定の3方法があり、次のとおりになります。

コマンド入力

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8.円弧(arc)

円弧描画には、@始点・終点・半径の指定、A中心点・始点・終点の指定の2方法があり、次のとおりになります。

コマンド入力

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9.楕円(ellipse)

楕円描画には、@端点の2点と距離の指定、A楕円軸の1点・中心点と距離を指定の2方法があり、次のとおりになります。

コマンド入力

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10.点(point)

点描画は座標を入力することで作成できます。
またシステム変数、点の形(pdmode)、点の大きさ(pdsize)を利用することにより点のオブジェクトの形状や大きさをコントロールできます。
(点のシステム変数については下記にて説明します。)
点の形(pdmode)には0〜4、32〜36、64〜68、96〜100の設定で点オブジェクトを指定できます。但し1を指定したときは何も表示されません。
点の大きさ(pdsize)にはpdmodeの値の0と1を除く点オブジェクトのサイズをコントロールします。0に設定すると作図領域の高さの 5%の点となります。正の値ではオブジェクトの絶対値となります。また、負の値ではビューポートのサイズとの相対的な 比率となります。また点のサイズは図面が再作図されるとともに全て再計算されます。

コマンド入力

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11.テキスト(text)

テキストには文字記入と、マルチテキストの2通りの方法があります。

(1)文字記入(text)

ダイナミック文字記入(一行文字)には、位置合わせを指定するものとしないものがあり、次のとおりになります。

コマンド入力

(2)マルチテキスト(mtext)

マルチテキスト記入(多行文字)には、位置合わせを指定するものとしないものがあり、次のとおりになります。

コマンド入力

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12.長さ寸法記入(dimlinear)

長さ寸法記入には様々な方法がありますが、ここでは、よく使用すると考えられるのはものを取り上げます。
寸法を上げる位置が@x座標に対して水平、2点目から位置指定、Ax座標に対して垂直、2点目から位置指定の2方法があり、次のとおりになります。
また、寸法位置についての他のオプションでは寸法値の変更、寸法値の入力角度、寸法線の角度変更があります。

コマンド入力

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13.引出線記入(leader)

引出線記入は任意の2点以上を指定するので、次のとおりになります。下記は注釈として文字列を追加しました。
その他、引出線の形式を定義できるオプションもあります。

コマンド入力

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14.トリム(trim)・貼付(pastclip)・削除(erase)

ここまでは、描画について記述しましたが、ここでは加工等として線を途中で削除する「トリム」、「コピー&貼付」、「削除」について紹介します。

(1)トリム

四角線の中央に縦線があり、縦線の四角内の部分を削除するのを、トリムで行う場合を例にします。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
 コマンド:trimエンター
       四角の左下のX・Y座標エンター
       エンター
       切り取る線の四角内のX・Y座標エンター
       エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章

@では"trim"からの実行のみを取り上げましたが、ここではわかりやすいように、線の描画から取り上げますので、オブジェクト選択位置との関係を把握してください。

コマンド入力

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(2)貼 付

1の方法として、オブジェクト選択を「点の指定」により行う方法について、(1)の描画でトリムする前の線を貼り付ける場合を例にします。

1−@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
  コマンド:copyclipエンター
       四角の左下のX・Y座標エンター
       縦線の下端のX・Y座標エンター
   コマンド:pasteclipエンター
       最後に選択した座標を貼り付けるX・Y座標エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
1−AExcelでのコマンド文章

2の方法として、オブジェクト選択を「窓や交差」により行う方法について、(1)でトリムした線を貼り付ける場合を例にします。

コマンド入力
2−@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
   コマンド:copyclipエンター
       窓の右下のX・Y座標エンター
       窓の左上のX・Y座標エンター
   コマンド:pasteclipエンター
       最後に選択した座標を貼り付けるX・Y座標エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
2−AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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(3)削 除

オブジェクト選択を「窓や交差」により行う方法を例にします。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
   コマンド:eraseエンター
       窓の右下のX・Y座標エンター
       窓の左上のX・Y座標エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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15.部分削除(break)

部分削除について、ここでは任意の多角形を使用し、次の2種類を紹介します。

@AutoCADでのコマンド入力
(指定オブジェクトから任意の点での場合)

コマンド入力での流れは、
   コマンド:breakエンター
       オブジェクトのあるX・Y座標エンター
       二点目のX・Y座標エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
(任意の点から任意の点での場合)

コマンド入力での流れは、
  コマンド:breakエンター
       オブジェクトのあるX・Y座標エンター
      エンター
       部分削除する任意のX・Y座標@エンター
       部分削除する任意のX・Y座標Aエンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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16.ブロック登録(block)・ブロック挿入(insert)

「ブロック登録」、「ブロック挿入」について紹介します。

(1)ブロック登録

まずは長方形を作成し、登録します。登録のみですとAutoCAD上には描画されないので注意してください。
描画については次のブロック挿入を見てください。

コマンド入力

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(2)ブロック挿入

ブロック登録後、ブロックの挿入を行います。今回はよく使用すると考えられる挿入位置を指定する方法について取り上げます。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
  コマンド:-insertエンター
上記で登録した”名前”入力 エンター
       挿入位置は任意の点X・Y座標を入力エンターエンターエンター これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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17.配列複写(array)・鏡像(mirror)・尺度変更(scale)・回転(rotate)

ブロック登録、挿入を利用しさらに応用した「配列複写」、「鏡像」、「尺度変更」、「回転」について紹介します。

(1)配列複写

配列複写については矩形状、円形状と2種類ありますが、ここでは多く利用されると思われる矩形状について取り上げます。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
 コマンド:-arrayエンター
       長方形の左下のX・Y座標エンター
       配列複写のタイプ R(矩形状)エンター
       Y方向の行数入力エンター
       X方向の列数入力エンター
       Y方向の間隔入力エンター
       X方向の間隔入力エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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(2)鏡像

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、
 コマンド:mirrorエンター
       ブロック挿入したオブジェクトX・Y座標エンター
       対称軸一点目X・Y座標エンター
       対称軸二点目X・Y座標エンター
       元のオブジェクトの消去の有無(今回はn)エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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(3)尺度変更

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、上記で登録したブロックを挿入後
 コマンド:scaleエンター
オブジェクトの任意のX・Y座標エンター
       基点X・Y座標エンター
       尺度指定エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。
※また尺度指定の前にオプションのコピー(c)を選択すると緑の点線部についてもオブジェクトとして残ります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章

コマンド入力

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(4)回転

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは、上記で登録したブロックを挿入後
 コマンド:rotateエンター
オブジェクトの任意のX・Y座標エンター
       基点X・Y座標エンター
       回転角度を指定エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。
※また尺度指定の前にオプションのコピー(c)を選択すると緑の点線部についてもオブジェクトとして残ります。

AExcelでのコマンド文章

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18.オフセット(offset)

様々なオブジェクトをオフセットすることで作図の簡便化が可能です。今回は一般的な方法を紹介します。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の線分を作成後
  コマンド:offsetエンター
オフセットの距離を指定エンター
       オフセットするオブジェクトX・Y座標エンター
       オフセットする側の@X・Y座標エンター
       終了(e)エンター
       ※オフセット続ける場合は継続して点を指定してください。
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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19.ハッチング(hatch)

ハッチングの種類は様々ありますが、ここでは塗りつぶしの方法について記述します。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れはポリラインで長方形を作成後
  コマンド:-hatchエンター
オプションのプロパティ(p)エンター
       ハッチングパターン名、塗りつぶし(s)エンター
       オプションのオブジェクト選択(s)エンター
       オブジェクトの任意のX・Y座標エンターエンター
       終了(^c ^c)エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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20.平行寸法記入(dimaligned)・角度寸法記入(dimangular)・中心寸法記入(dimcenter)・
    直径寸法記入(dimdiameter)・半径寸法記入(dimradius)

上記にある長さ寸法記入の記述に加え、応用を利かせた他の様々な寸法記入の方法について記述します。

(1)平行寸法記入

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の線分を作成後
 コマンド:dimalignedエンター
1本目の寸法補助線の基点X・Y座標エンター
       2本目の寸法補助線の基点X・Y座標エンター
       寸法を上げる任意のX・Y座標(予め計算で算出)エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章


コマンド入力

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(2)角度寸法記入

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の線分を作成後
 コマンド:dimangularエンター
線分のあるX・Y座標エンター
       2本目の線分X・Y座標エンター
       寸法を上げる任意のX・Y座標(予め計算で算出)エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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(3)中心寸法記入

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の円を作成後
 コマンド:dimcenterエンター
円のあるX・Y座標エンター
       (中心寸法の大きさについては予め設定しておく)
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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(4)直径寸法記入

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の円を作成、中心寸法記入後
 コマンド:dimdiameterエンター
円のあるX・Y座標エンター
       寸法を上げる任意のX・Y座標(予め計算で算出)エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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(5)半径寸法記入

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の円を作成、中心寸法記入後
 コマンド:dimradiusエンター
円のあるX・Y座標エンター
      寸法を上げる任意のX・Y座標(予め計算で算出)エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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21.面取り(chamfer)

面取りは複数の線分からなる、角のある対象物の加工で使用しますがもっとも一般的な方法を記述します。

@AutoCADでのコマンド入力

コマンド入力での流れは任意の角度のある線分を作成後、
 コマンド:chamferエンター
オプションの距離(d)エンター
       1本目の面取り距離指定エンター
       2本目の面取り距離指定エンター 
       1本目のX・Y座標エンター
       2本目のX・Y座標エンター
これをコマンド行で見てみると下図のようになります。

コマンド入力
AExcelでのコマンド文章
コマンド入力

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22.延長(extend)

上記にある長さ寸法記入の記述に加え、応用を利かせた他の様々な寸法記入の方法について記述します。

@Excelでのコマンド文章
コマンド入力

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V.システム変数

図面を描画する場合には常にスケールが付きまといますが、スケールが一番反映されるものとしては文字の大きさと寸法線ではないでしょうか。
文字の大きさについては、コマンドで指定しますが、寸法線については、通常、「寸法スタイル管理」のダイアログボックスによりスケールに見合った寸法スタイルを設定していると思います。
この「寸法スタイル管理」に関わるコマンドはシステム変数と言われ、AutoCADの動作環境やコマンドのオプションに関する設定を行う変数になります。
このシステム変数もコマンドと同様に入力できますので、システム変数について紹介します。
なお、システム変数も沢山ありますが、通常の作業であれば「寸法スタイル管理」のシステム変数以外はほとんど変更しなくても良いので、ここでは、「寸法スタイル管理」に関わるシステム変数について取り上げます。

ダイアログボックスとシステム変数の関係

「寸法スタイル管理」のダイアログボックスとシステム変数の関係は次の図のようになっています。

システム変数

システム変数

システム変数

システム変数

システム変数

システム変数

システム変数

システム変数と内容をまとめると下表になります。

システム変数

寸法スタイル管理には沢山のシステム変数がありますが、その中で、文字や寸法線の大きさ、寸法線の配置に関するものは初期値では小さすぎるので変更するすることが多いと思います。
その他には寸法値の基本単位とスケールに関してですが、描画するものによって各々異なってきますので、その都度、変更しているのではないでしょうか。
そこで、これらのコマンド入力に対応するExcel文章としては次のとおりになります。

システム変数

W.Excelサンプル集

コマンド及びシステム変数について記述してきましたが、それらを用いて作業の自動化を図るExcelのサンプルを掲載しますので、ダウンロードして自由にご活用ください。

1.コマンド一覧

これまで紹介したコマンドのExcel文章をまとめたものです。

cad_コマンド一覧.xls

2.画層新規作成

CAD製図基準(案)に準じるレイヤー・色・線種・太さを画層に新規作成するサンプルです。
注意:「印刷スタイル」は、印刷スタイルテーブルの " .stb"ファイルの名前を指定するものですので、".stb"ファイル選択後に「印刷スタイル」を変更してください。

使用コマンド:画層管理(layer)

(1) 河川図面用画層作成(名前の付いた印刷スタイル)

河川画層

河川図面画層.xls

(2) 港湾図面用画層作成(名前の付いた印刷スタイル)

港湾画層

港湾図面画層.xls

3.自立矢板標準断面図

自立矢板式の標準断面図と設計条件図を作成するサンプルです。

  使用方法
"自立矢板標準断面図.xls"を開き、シート「標準断面図」にデータを入力してください。
AutoCADを起動し、[ファイル]→[新規作成]→[テンプレートを選択]で、"aclt -Named Plot Styles.dwt"(名前の付いた印刷スタイル)を開いてください。
"自立矢板標準断面図.xls" のシート「コピー」のA1:A484をコピーし、AutoCADのコマンドラインに貼り付けてください。
[形式]→[文字スタイル管理]で、「ビックフォントを使用」のチェックをはずし、フォント名を「Ms 明朝」にして、適用をクリックし、閉じれば完了です。

  注 意
1)土層条件のMTEXTにおいて、文字の前後に " が入ってしまうので、それは編集で削除してください。
2)「印刷スタイル」は、印刷スタイルテーブルの " .stb"ファイルの名前を指定するものですので、" .stb"ファイル選択後に「印刷スタイル」を変更してください。

  使用コマンド
画層管理(layer),文字(text,mtext),線(line,pline),円弧(arc),寸法線(dimlinear),引出線(leader),ズーム(zoom)

  使用システム変数
新規作成(dimstyle),寸法線の間隔(dimdli),寸法補助線の距離(dimexe),寸法線のオフセット(dimexo),
寸法線の矢印名(dimblk),寸法値のギャップ(dimgap),引出線の矢印名(dimldrblk),矢印サイズ(dimasz),
寸法線の位置合わせ(dimtih),寸法値の垂直方向(dimtad),文字の高さ(dimtxt),寸法値小数点桁(dimdec),
図面スケール(dimscale),計測尺度(dimlfac),角度寸法の単位形式(dimaunit),角度寸法小数点桁(dimadec)

自立矢板

自立矢板標準断面図_修正.xls

4.FLIP 1次元モデル図作成

FLIPの1次元のモデル図を作成するサンプルです。

  使用方法
"FLIP_モデル図作成.xls"を開き、シート「画層」にデータを入力してください。
シート「節点」にFLIPデータのCOORを貼り付けてください。
シート「要素」にFLIPデータのELEMを貼り付けてください。
シート「材料色区分」に材料の変曲点を入力してください。
AutoCADを起動し、[ファイル]→[新規作成]→[テンプレートを選択]で、"aclt.dwt"(色従属印刷スタイル)を開いてください。

"FLIP_モデル図作成.xls" のシート「画層」のh39:h303、シート「節点」のA2:A54、シート「要素」のA4:A47、B4:A47、シート「要素色区分」のF3:F85それぞれコピーし、AutoCADのコマンドラインに貼り付けてください。
なお、材料区分を色分けし、その中央付近に材料番号を記入するようにしてありますがあまり目立ちません。この番号が目立たさせるには、番号を選択し、[修正]→[オブジェクトプロパティ管理]の[背景マスク]を"はい"にすると、番号箇所が箱抜きになり目立つようになります。

  注 意
印刷スタイルテーブルの" .ctb"ファイルの「色」を「オブジェクトの色を使用」に変更してください。

  使用コマンド
画層管理(layer),文字(text,mtext),線(pline),ハッチング(hatch),ズーム(zoom)

FLIP要素

FLIP_モデル図作成.xls

5.H形鋼と溝形鋼の断面性能算定

H形鋼と溝形鋼の断面性能(腐食代も考慮できる。)を算定するサンプルです。
リージョン(region),マスプロパティ(massprop)については、上記で説明していませんが、オブジェクトの選択を範囲で指定すれば良いです。

  使用方法
"H_溝形鋼断面性能cad.xls"を開き、シート「H形鋼」もしくは「溝形鋼」にデータを入力し、 黄色カ所をコピーし、AutoCADに貼り付けてください。
マスプロパティが表示されますので、Excelに必要なデータを入力してください。

  注 意
腐食代を考慮した場合に、採用値の一部が表等とあわない場合がありますので、使用に当たっては注意してください。 マスプロパティが表示されますので、Excelに必要なデータを入力してください。

  使用コマンド
線(line),円弧(arc),リージョン(region),マスプロパティ(massprop)

H-beam.gifH-beam_2.gif

H_溝形鋼断面性能cad.xls

X.fortranサンプル集

1.A1図枠描画

A1図枠を描画するためのテキストファイルを作成します。

  描画例

注意点
 a.A1_cad.txtは先頭行から最終行の次行までを選択してコピーしてください。(下図のように)
  (最終行まででは、コマンドラインに応答を求めることがあります。その場合には、"ESC"キーを押してく
  ださい。)

  コピー例

b.貼り付け作業中は、画面に砂時計マークが表示され、そのマークが消えたら描画されています。
  描画位置は0,0 付近になりますので、コマンドラインに"Z":ズーム、"E":オブジェクト範囲の順に入力する
   と、描画例のようなモデル図が表示されます。

  使用コマンド
画層管理(layer)線(line,pline),文字(text),円(circle),寸法線(dimlinear),文字スタイル(style),
線種尺度(ltscale),ズーム(zoom)

  使用システム変数
新規作成(dimstyle),寸法線の間隔(dimdli),寸法補助線の距離(dimexe),寸法線のオフセット(dimexo),
寸法線の矢印名(dimblk),寸法値のギャップ(dimgap),引出線の矢印名(dimldrblk),矢印サイズ(dimasz),
寸法線の位置合わせ(dimtih),寸法値の垂直方向(dimtad),文字の高さ(dimtxt),寸法値小数点桁(dimdec),
図面スケール(dimscale),計測尺度(dimlfac),角度寸法の単位形式(dimaunit),角度寸法小数点桁(dimadec)

waku_A1_001w.zip (画層データ作成:画層管理.xls、画層データ:layer.txt、ソースと実行形式)